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超高級魚シロアマダイの種苗に標識付けして仙崎湾内に集中放流します
1 目 的
水産研究センターでは、平成29年から希少性が高い高級魚であるシロアマダイの種苗生産技術開発に取組み、令和元年に全国で初めて大量生産に成功し、現在、安定した種苗生産体制を構築するため、公益社団法人山口県栽培漁業公社と連携した生産試験と、放流技術開発を進めています。
このたび、本年度生産した種苗が放流サイズに成長したことから、放流後の移動生態や放流効果を把握するため、仙崎湾内約2万1千尾の種苗を集中放流することとし、今回は、その一部の種苗に標識付け(腹ヒレ抜去)して放流を行います。
2 試験概要
(1)標識付け作業(ヒレ抜去)
(1)日時:令和7年6月20日(金曜日) 午前9時から正午(予定)
(2)場所:山口県外海栽培漁業センター(長門市通19-2)
(3)標識付け方法:左腹ヒレの抜去
(4)標識付け尾数:5,000尾
(2)放流
(1)日時:令和7年6月20日(金曜日)午後1時から午後3時(予定)
(2)場所:長門市仙崎湾内(柴津浦(しつうら)湾)
(3)放流尾数:5,000尾(残りの約16,000尾は無標識で後日放流)
(4)放流方法:標識付け種苗をトラックに乗せたタンクに積込み放流場所まで移動し、タンクからホースを用いて海底へ放流
3 取材対応について
(1)日時:試験当日 午前10時から
(2)場所:上記標識付け場所に同じ
(3)注意点:
・標識付け種苗と標識付け作業の撮影は可能です。
・取材は、標識付け作業終了後にお願いします。
4 問い合わせ先
県水産研究センター外海研究部 増殖加工グループ 担当:野村(のむら)・三好(みよし)
電話:0837-26-0711
【地図】
【参考】
- シロアマダイについて
- あまだい類の中で最も大型の種で、最大で全長60cm(約3.5kg)を超えます。
- 希少性が高く、市場ではキロ単価3から5万円で取引されることもある超高級魚です。
- 国内では、紀伊水道から豊後水道の太平洋沿岸、瀬戸内海、若狭湾から九州西岸の日本海・東シナ海沿岸に分布しています。
- 水深50から100m程度の砂泥域に生息し、延縄や底びき網等で漁獲されます。
- 研究成果の概要
- 県水産研究センターでは、平成29年度からシロアマダイの生態把握や種苗生産技術開発に取り組んでいます。
- 令和元年に天然魚から採卵した卵で、全国で初めて種苗の大量生産に成功し、これまでに約21万尾を県内に放流してきました。
- 本年度は、約15万粒の卵を用いて山口県外海栽培漁業センターで試験生産を実施し、約5万尾の種苗を生産しました。
- この種苗を用いて、放流試験として日本海側で標識放流調査を実施するものです。
- なお、本研究の成果は、水産庁委託事業(さけ・ます等栽培対象資源対策事業)で得られたものです。
写真2 腹鰭を抜去したシロアマダイの種苗 (その他:24KB)