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令和7年6月定例会
令和7年6月30日(月曜日)~7月1日(火曜日) 付託議案等の審査、所管事項の調査
産業観光委員会を代表いたしまして、本委員会における議案の審査の経過並びに結果について御報告を申し上げます。
審査に当たりましては、関係議案及び所管事項全般にわたり、執行部に説明を求め、質疑、検討の結果、議案第1号のうち本委員会所管分については、全員異議なく、可決すべきものと決定いたしました。
次に、審査の過程における発言のうち、その主なものについて申し上げます。
まず、産業労働部関係では、
米国の関税措置への対応について、
現在、政府において米国と交渉が続けられているが、その状況や県内企業への影響をどう把握しているのか。
また、国の動向や県内企業への影響、ニーズを踏まえ、今後、どのように取り組むのか。
との質問に対し、
米国による関税措置の発動を受け、直ちに庁内連絡会議を立ち上げるとともに、中小企業等を訪問して情報収集に努めている。
現在、政府と米国との交渉は未だまとまっておらず、マツダ防府工場や関連企業をはじめ、本県の強みであるものづくり産業など、幅広い分野への影響が懸念されている。
現時点、事業活動に特に大きな支障が生じている状況ではないものの、先行きの不透明感から将来に向けての不安が大きい状況にある。
そのため、特別相談窓口を開設するとともに、県制度融資による金融支援を行っている。
さらに、国に対し、地域経済の維持や影響最小化のための支援等を要望したほか、中小企業者の特別高圧電気料金の高騰分等を支援することとしている。
引き続き、県内企業への影響やニーズの把握に努め、国や関係機関等と連携し、必要な対策を適時適切に講じていく。
との答弁がありました。
これに関連して、
○ 市町との連携も含めた今後の中小企業の支援について
などの発言や要望がありました。
次に、GXの推進について、
国は、国家戦略特区制度を活用してGX戦略地域を新たに設けるなど、GX産業の集積を目指しているが、今後どのように取り組んでいくのか。
との質問に対し、
国は、GX2040ビジョンに基づき、新たにGX戦略地域を設け、経済的支援と規制・制度改革を一体的・集中的に進め、新たなGX産業の集積を図ろうとしている。
こうした中、先日開催された国家戦略特区諮問会議において、本県のコンビナートが、世界のGXを牽引する未来拠点の形成に向けた先進事例として取り上げられた。
GX戦略地域への選定は、2050年カーボンニュートラル実現を目指すコンビナート企業にとって、国内外からの投資の呼び込みに好影響をもたらすことから、選定要件や手続き等の情報収集を進めるとともに、コンビナート企業との情報交換を行い、当該地域への選定に向けて、着実に準備を進めていく。
また、GX型コンビナートへの転換を皮切りに、GX時代に必要な産業の集積を一層進めるとともに、中小企業に対する脱炭素経営の普及啓発をこれまで以上に行い、本県のGXの推進に向けて積極的に取り組んでいく。
との答弁がありました。
このほか、産業振興関連では、
○ 今後の産業労働行政の推進について
○ 企業誘致における本県の強みについて
○ 中小企業のデジタル化と産業DXの支援について
○ 県内中小企業の景況感について
○ 半導体・蓄電池関連産業の集積強化について
雇用・人材育成関連では、
○ 民間企業におけるカスハラ対策について
○ 移住支援金の実績と周知について
○ 外国人労働者数の推移について
電力関連では、
○ 上関町における中間貯蔵施設について
○ 中国電力の原子炉設置許可申請に対する県の認識について
○ 原子力規制委員会委員の発言に対する見解について
労働委員会関連では、
○ 不当労働行為の定義について
などの発言や要望がありました。
次に、観光スポーツ文化部関係では、
錦帯橋の世界文化遺産登録を目指した取組について、
6月の国への要望活動の概要と成果への受け止めについて伺う。
また、これまでの経緯なども踏まえ、今後どのように取り組んでいくのか、手応えも含めて伺う。
との質問に対し、
昨年秋に引き続き、超重点要望として、県議会、岩国市、岩国市議会とともに、文部科学省と文化庁を訪問し、国内推薦候補のリストとなる暫定一覧表への追加記載や、登録に向けた取組への支援について要望を行った。
今回の要望活動により、地元の熱い思いとともに、県と市の体制及び連携の強化や、錦帯橋の国際的な理解増進の取組などについて、理解いただいたものと受け止めている。
また、今年度に入り、より一層、県と市の情報共有が図られ、これまで以上に緊密な連携が取れていると感じている。
県としては、地元の機運の高まりをしっかり受け止め、市や関係団体等と一体となって、本県が誇る錦帯橋の世界文化遺産登録に向けて取り組んでいく。
との答弁がありました。
次に、観光二次交通とMaaSの取組について、
観光二次交通の改善に向けた県の取組状況や成果を伺う。
また、今年度の観光周遊バスの利用状況や今後の展望はいかがか。
との質問に対し、
バス事業者に対し、交通系ICカードの導入に係る経費を支援しており、これまで県内路線バス車両の約9割にICカードが整備されるとともに、県内2空港の二次交通情報と航空会社のMaaSの連携により、航空機の利用客が事前にバスのデジタルチケットの購入や、タクシーの予約ができるサービスの提供が行われている。
加えて、AIデマンド交通や自動運転など、デジタル技術を活用した新たなモビリティサービスの導入を目指す市町に対する支援も行なっている。
また、角島と元乃隅神社を主な立ち寄り地とする観光周遊バスは、4月から運行を開始し、昨年度の実証運行を上回る利用状況となっている。
今年度は、来年3月末までの運行を予定しており、冬季の閑散期の利用状況も踏まえ、通年運行の課題を把握した上で、将来的には民間ベースでの取組となるよう進めてまいりたい。
との答弁がありました。
このほか、観光振興関連では、
○ 若者目線による山口DCの成功に向けた取組について
○ 山口きらら博記念公園を中心とした大規模イベントの開催について
○ インバウンドの推進について
交通政策関連では、
○ 地域公共交通の確保について
○ 山口宇部空港の利用促進について
○ 山口宇部空港と下関駅を結ぶシャトルバスの運行について
○ 全国的な鉄道ネットワークのあり方に関する特別要望について
国際交流関連では、
○ 姉妹提携都市等との友好交流について
○ 長生炭鉱問題の対応について
スポーツ推進関連では、
○ スポーツフィールドやまぐち推進事業の取組について
○ サイクル県やまぐちの取組について
文化振興関連では、
○ 文化財の保護と後継者育成について
○ 県美展のあり方について
などの発言や要望がありました。
終わりに、請願について御報告申し上げます。
本委員会に付託された請願第2号については、「上関町における中間貯蔵施設について、現在はあくまでも、施設が立地可能かどうか、その調査が行われている段階であり、県民の安心・安全の確保の観点から、立地可能性調査の動向を注視している状況にあることから、請願が求めるような意思表明をする状況にはない」との意見や、「新たに明らかになった国東半島沖から延びている断層が危険であるなどの住民の思いを酌むべき」との意見があり、採決の結果、賛成少数により、「不採択とすべきもの」と決定いたしました。
以上をもちまして、本委員会の報告といたします。
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